ロッドメーカー天龍(テンリュウ)のブログです。新商品紹介や釣具開発の裏話、釣りコラムなどロッドの特徴を綴っています。
既にシリーズが発売されて四半世紀。
フェイテスの名で発表されたシリーズは、
幾度もの再編を経てフライロッドとして系譜を繋いでいる。
今回はフライロッドの歴史を紐解いていこう。
フライフィッシングは欧米からもたらされた釣りであり、
ロッドのアクションも海外製品をリスペクトする傾向にある。
ただ日本国内のフィールドを思うと、
日本向けのテイストに味付けしたタックルが欲しくなるわけだ。
古来から受け継いだテンカラの釣りが有る様に、
日本向けのアクションを日本製で作ろうというのがキッカケであった様だ。
初代フェテスは、1990年に発表された。
当時はフライ以外にも、トラウトやバス、
シーバス向けも含めたルアー・フライロッドのシリーズであった。
コンセプトは、クセのないパラボリックアクションを求めており、
この基本理念は現行シリーズにも受け継がれている。
その後、1998年に後継シリーズとなるフェイテスOF(オーエフ)や、
1999年には改良型のフェイテスCUSTOM(カスタム)をリリースしている。
OFとは、オーバーキャップフェルール(逆並継ぎ)の意で、
コントロール性の高いティップ部とシュート力を高めたバットとなっていた。
カスタムは、ロングディスタンスとキャスト精度を高めた上級モデルで、
印籠継ぎ継承しながらブランク表面の研磨加工を省き、
ブランクの持つ力を最大限に活かしティップのブレを最小限に抑える効果を狙っている。
そして2002年。
OFとカスタムの後継シリーズとして、
正統な血統を引き継いだ ベーシックマスター が発表された。
OFで培ったコントロール性の高いバランス、
カスタムで培った表面加工の技術を取り入れ、
誰にでも心地良いキャストが出来ることをコンセプトに仕上げられた。
当時のロッドと振り比べてみると、空振りした限りでは差が分り難い。
ラインを通して振ると、ラインのターンに明らかに違いが出ることが感じられ、
少ない力で気持ちよく力強いループを作る事が出来る。
見た目では分からないクロスパターンの違いで、こんなに変わるモノなのかと驚かされた。
弊社の製品はバンブーロッドから始まり、バンブー素材からグラス素材、
そしてカーボン素材に移り替わっても、独特のモチっとしたテイストを引き継ぎ、
いわゆるTENRYUアクションと呼ばれる調子だ。
フェイテス・フライロッドは、
初代より数えて合計140機種以上にも及ぶアイテムが作られてきた。
この他にシグネイチャーモデル等を入れると、更に多くの機種がリリースされている。
今後も技術革新や新素材などで、まだまだ進化の過程にあると思える。
最新作のNewベーシックマスターも含め、展開に期待して頂きたい。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング
Fates Lake Spin
フェイテス レイクスピン
このロッドの名前を聞いて、
懐かしいと感じた方は、
筋金入りの天龍マニアだろう。
LSP と聞いた方が、
分かる方のほうが多いかもしれない。
既にカタログ落ちして 5年 以上が経つが、
未だに復活の声もあるほどだ。
発売された年代を調べてみた。
1989年。
廃盤となったのが2006年とすると、
17年ものあいだ、
カタログの一項を担ってきたアイテムである。
トラウトロッドとして生まれ、
名前の通り山上湖をはじめとした、
湖でのキャスティング向けに作られたアイテムだ。
写真は、発売当時のカタログより
レイクと名前が着いていたが、
短いレングスからラインアップがあった。
その中でも人気であったのは、
8 ft と 9 ft モデルであろう。
同じブランクを使ったベイトモデルもあった。
銀山湖 や 本栖湖、 芦ノ湖、 中禅寺湖など
トラウトアングラーの聖地と呼ばれたフィールドで、
幾つもの実績を作ってきた。
果ては北の大地でタイメンを相手にしたり、
大河でサクラマスに使うことにも活躍した。
その癖の無いアクションは鱒属に留まらず、
シーバスや、エギングに使うこともあった。
発売されたこの時代、
現在の様に1魚種1アイテムまで細分化されておらず、
ルアーロッドの括りが広かったと覚えている。
中弾性カーボンを主体に、
パラボリックな弧を描いたアクションであり、
ターゲットの引きをロッド全体で受け止めることで、
ライトラインでも大物とのヤリトリを可能にしていた。
またファイト中に曲がりをキープしやすい事から
バラし難さにも繋がっていた。
このモチっと感じるブランクは、
天龍らしいと呼ばれる由縁とも言える。
そんな人気を博したアイテムも時代が代わり、
細分化される流れから
以後のトラウトロッドにバトンを託す形で
姿を消すことになった。
LEGEND of Tenryu
と呼んでもよいこのロッド。
まだお待ちの方、もう一度振ってみて下さい。
今、カタログに掲載しているロッドの
系譜が見えてくるかもしれませんよ。
1963年5月、グラスファイバー素材を使ったロッドの生産を始める。いわゆるグラスロッドである。
時代は、この素材により大きな転換期を迎える。
グラス繊維を使ったプリプレグ(繊維の布)の成形技術を取り入れ、釣竿は革新的な進化を遂げる。
デザインは六角竿と同型のグリップを採用していた
一般的なジョイント(継ぎ)もあったが、
グラスロッドの登場により、振り出し式の竿も可能となった。
軽量化とコンパクト性が爆発的な普及を果たす。
ガイドの形状・素材などをみても、発展途上が伺える。
アカメと表記されている。
高度経済成長期にともない、
趣味の多様化もあり、釣り文化も奥深くなってくる。
生産の効率化や、品質安定を図れることもあり、
釣竿は手工業から、近代工業への進化していくのである。
始まりは半世紀ほど前に遡る。
1961年6月、創業者先代社長が生涯釣竿一筋の心意気で、前身となる塩澤製作所を立ち上げる。
天然素材である竹を使い、六角に張り合わせた釣竿「六角竿」が当時の最先端であった。
当初は、延竿が主体であったが、
時代は次第にリール竿へシフトしていく。
写真左が当時の製品 右はレプリカ
その六角竿は国内において一世を風靡する人気を博し、国内に留まらず海外へ人気が広がっていき、
天竜印 JAPANの文字が伺える
北米市場において、高い評価を得てロングセラーを続けることになる。
金属製リールシート
商品タグ
形状において、現代のモノと基本は同じである。
無駄を消していくと最終的には、
この様なデザインに行きつくのかもしれない。