
【渓流域Jerkin’カスタムモデル】
初代スペクトラRZS53LMLの正統進化モデルとして作ったのが、今作の2代目スペクトラ RZS512S-LMLだ。
基本のコンセプトは、渓流域で銀毛した遡上系の個体や、水勢の強い瀬だったり深淵に潜んだ大型個体を狙うことを想定している。
小型でもヘビーウェイトのミノープラグ、引き抵抗の強いルアーの使用することは多々あり、そうしたルアーを前提としたアクションに仕上げたのがジャーキンモデルの基本だ。
そしてスペクトラの称号を与えるにあたって、より高弾性に仕上げ張り感を強めてピーキーとも言える操作性を求めた。
私の考えとして、ティップを5cm動かしたらルアーが5cm動くのが理想である…が、実際にはラインの伸びや水抵抗で同様にはいかない訳で、その差を限りなく少なくしたい考えの基で作り込んでいる。
キャスト性能は張り感が強いが為に、スイートスポットと言える部分が極めて狭く、ビギナーには推奨出来ないアクションでもある。
ブランクをしっかりと曲げ込み、性能を引き出せるアングラーにこそ扱って欲しいモデルだ。

【前作RZS53LMLとの違い】
●リアグリップ長を2インチ短くし、グリップからティップまでの有効長は前作と同じレングスとした。
オーバーヘッドキャストはもちろん、サイドハンド、フリップ、バックハンドなど、片手でのキャストや操作を重視したリアグリップ長である。
思想として同シリーズ内の渓流域向けのショートモデルは、全て同じ考えの基でリアグリップを短くしている。
リールシートを中心に考えた場合、リアグリップを短くし、穂先側を長いままにしたので、厳密に言えばフロントヘビーの重心になる。
実は、完全な水平バランスには意図的に求めてない。
ややティップに重さを残し、ロッドを振ると『シナリ』を感じられる様にしている。
張り感が強く曲がり難いロッドは、キャストやジャークをすると手首への負担がそのまま伝わりやすい。
短時間ならまだしも、投げてルアーを動かすことが他の釣りよりも遥かに多い渓流ルアーでは、手首への負担は大変大きい。
ブランクが曲がり戻ろうとする力を利用する事で、キャストやジャークを楽にする効果が見込めるので、意図的にシナリを起こすにはブランクに僅かながら重さを残す事にしたわけだ。
それでもダイレクトな操作性は充分に感じて貰えるはずだ。
●ガイドは、バットガイドを足高にして、リールから出し入れされるラインがスムースに流れる様に施している。
適度なリング径を選び、小さ過ぎないガイドにする事で、ナイロンライン5lbを基準に抜けが良い事を狙ったガイド設定としている。
もちろんPEラインにも対応し、絡みにくさも考慮したバランスだ。
【現行レイズRZ542S-Lとの違い】
レイズRZ542S-Lは、スペクトラに比べて若干張りを抑えてあり、誰もが扱いことを狙ったアクション設定で、投げ易くルアーも操作しやすいバランスに仕上げている。
反面、より高弾性にしてルアーの操作性に振ったのがスペクトラであり、キャストやルアー操作はシビアになる反面、ダイレクト感が高くなり、仕掛けていく攻撃的なスペックに仕上げている。
ジャーキンを手始めに持つならRZ542S-Lをオススメするし、それでは物足りないと感じるアングラーはRZS512S-LMLを選んで欲しい。
【Jerkin’とTwitchin’の使い分け】
ルアーの操作する意味で二分しており、Jerk(ジャーク) = グイっと引っ張る 、Twitch(トゥィッチ) = 小刻みに動く…といった英訳になる。
トゥィッチンよりも、少し激しめの操作にも適合したのがジャーキンであり、各レイズシリーズでもトウィッチ向けやジャーク向けのモデルを用意してきた。
Jerkin’ Customとサブネームを持たせているのは、ジャークに特化したカスタムモデルという事だ。
目安として、短距離で流れが緩く浅いフィールドであればトウィッチンの方が出番は多くなり、適度な距離と流速が速く強い場合ならばジャーキンの出番だろう。
ロッドワークを上手く扱える方ならば、ジャーキンモデルでトウィッチ(ルアー操作)も可能であり、上級者であれば幅広いルアーのウェイトを扱えるはずだ。

【タックルバランス】
ミノープラグの操作性に合わせた設定を紹介したい。
リール:S社C2000番 / D社LT2000番(200g以下)
ライン:ナイロン4〜5lbの直結、or PE0.4〜0.6号+ナイロンリーダー5〜7lbとの組み合わせ
ルアー:ミノー4〜7cm(3〜6g)
ラインの選択として、魚の活性が高いシーズンならナイロンラインの方がバラし難く、活性が低ければPEラインでバイトを掛けに行く方が適しているとテストを通じて感じている。
魚の活性が高いとバイト後に反転する力も強く、伸びが少ないラインだとロッドの『タメ』が効かずにバラす事に繋がりやすい。
その為、水温が12〜16℃あたりのシーズンはナイロンラインを直結で使用する場面が多かった。
それよりも低い水温や高温の場合で、あまり魚が暴れ過ぎないシーズンはPEラインで触れた様なバイトに瞬間的にフッキングを入れて対処していた。
また、PEラインを使いたいがバラしが多発する場合は、リーダーを長めに取ってラインの伸びを活かしてみて欲しい。
私の場合は、短い時で30cm、長い場合は2ヒロまで使い分けている。
【ジャーキンの完成形】
他でも語っている通り、私の中では現状で最高のスペックに仕上っていると感じている。
いつか、このスペクトラを超えるロッドを作る日が来るのであろうけども、暫くは何を変えれば良いか想像がついていない。
フィールドに通い込み、何か新しい発見や足りない点が見えてきた時に気付くのであろう。
それまで、仕上がったロッドで釣りを楽しんで行こうと思う。
Staff Funaki


