Rayz Spectra RZS652S-LML(Super Yamame Custom)

このモデルは、清流域から中流域に潜むヤマメ(あるいはアマゴ)の中でも、降海せず河川に留まり、遡上を意識して銀毛化した個体――いわゆるスーパーヤマメをターゲットにしたロッドだ。

他のトラウト種でも同様に、戻り系の個体を狙うことを主眼としており、渓流域の釣りと比べて難易度が遥かに高いのも特徴である。

それなりに修羅場をくぐり抜けてきた個体だけに、狡猾で神経質な一面が強く、一筋縄では攻略できない。

既存モデルにもスーパーヤマメ向けのロッドは存在するが、それだけでは太刀打ちできないほどシビアなコンディションを想定し、改めて作り込んだのが本モデルだ。
まずは、その違いから説明していこう。

【RZ6102S-LMLとの違い】

現行レイズには、RZ6102S-LMLという近しいスペックのモデルが存在する。
基本コンセプトは同じくスーパーヤマメ狙いで、スレた魚に対して距離を取り、遠投で攻略することを想定したロッドだった。

ただ――飛距離だけでは埋められない差がある。
ルアーサイズでバイトを引き出すこと、そして「触れたかどうか分からない」ような僅かなアタリに対し、確実にフッキングへ持ち込む感度が必要な場面が増えてきたのだ。

これは、長野県の天竜川や木曽川で、本流のアマゴ狙いに通っていたシーズンの話である。
当時、使用頻度が高かったのは6cm前後のミノープラグだったが、水量が落ち、水温が上がる時期になると、チェイスはあっても喰わせきれない場面が多発した。

同行していた私の師は、ルアーサイズを5mm単位で落としていき、最終的に4.5cmのミッドダイバーで連発させていた。
私がレイズ610を使っていた一方、彼が手にしていたのはレイズ54Lという渓流向けロッドだった。

同じルアーを使っていても、明らかにバイト数が違う。
それだけでなく、小さなアタリを確実にフッキングへ持ち込んでいた点も、大きな差となって表れていた。

この体験から、渓流域で使うルアーを無理なく扱え、なおかつ飛距離も確保できるロッドという構想が生まれた。

既存レイズとの優劣を整理すると、
RZS652S-LMLは飛距離こそRZ6102S-LMLに譲るものの、扱いやすいルアーウェイトの下限域はRZS652S-LMLの方が広く、感度面でも向上している。
その違いは、実釣で明確に体感できるはずだ。

【タックルバランス】

タックル設定としては、渓流域向けのタックルをベースに、本流域へ落とし込むイメージが最適だと考えている。

リール:S社 C2000〜2500番 / D社 LT2000〜2500番

ライン:ナイロン4〜5lb直結
     or PE0.4〜0.6号+ナイロンリーダー5〜7lb

ルアー:ミノー5〜7cm(4〜7g)、スプーン2〜8g

極細PEラインを使うなら2000番、ナイロンラインをメインにするなら2500番を推奨したい。
リールは小さく軽いほど感度面では有利だが、ナイロンなどのモノフィラメントラインでは、スプール径の大きさも重要になる。

ナイロンラインで飛距離を出そうとすると、2000番クラスのスプールでは糸巻き量の減少による影響が大きく、スプールエッジが抵抗となって失速しやすい。
飛距離を優先するなら2500番、操作性や感度を重視するなら2000番といった具合に、ラインシステムと合わせて使い分けを楽しんでほしい。

【ピースを選ぶのはアングラー】

上流へ遡ればフレッシュな個体と出会える渓流域の釣りと比べ、中本流で初期段階からスレた魚を狙うゲームは、どれだけ歩き回っても、バイトどころかチェイスすら得られないことも珍しくない。

その一方で、ヒットする個体は大きく、逞しい魚体であることが多く、トラウトゲームの中でもエキスパート向けの釣りだと感じている。

フィールドに通い込み、水色や水量を見極め、遡上のタイミングを探る。
捕食しているベイト、ポイントごとの癖を想定しながら組み立てていく――
その狙いが噛み合った瞬間の快感は、何物にも代えがたい。

「この日は運が悪かった」「タイミングが合わなかった」と言うのは簡単だし、通っていれば確かに爆釣の日もある。
ただし、毎回が同じ状況ではなく、むしろ釣りにくい日の方が圧倒的に多いはずだ。

アングラーが持つ引き出しを総動員し、その“あと少し”を埋めるピースとして、このロッドが機能してくれると信じている。
中本流のスーパーヤマメ狙いにおける切り札として、ぜひおすすめしたい一本だ。

Staff Funaki

タイトルとURLをコピーしました