レイズ・オルタ(エリア向け)とレイズ(ネイティブ向け)を見比べると、
ガイド形状が違うのが一目で分かって貰えるだろう。
ネイティブ向けには、Kタイプのフレームでも足低のタイプを選んでいる。
逆に、オルタには同じKタイプのフレームでもフットが高い。
これは意味があって、それぞれ違う形状に分けた経緯があるのだ。
左(ネイティブ向け RZS51LL)、右(エリア向け RZA60MLM-T)
少し以前のロッドには、Yタイプのガイドが標準的に使われていた。(※Yタイプは廃盤)
長くルアーフィッシングを嗜んでいる方には、この形状の方が親しみがあるかもしれない。
ラインが絡み難い形状との事で、Kタイプのガイドがスタンダードとなり、
今ではKガイドがあらゆるロッドに使われるようになっている。
左(Yタイプ CR53L-Jerkin')、右(Kタイプ RZA60MLM-T)
しかし、改めてYタイプを使ってみると、
ナイロンライン等のモノフィララインを使うと非常に抜けの良さを感じられるのだ。
これはリールから放出されるラインのスパイラルが、
抑制されずにガイドを抜けているからだと思われる。
Kタイプだと傾斜している為バックラッシュしたラインが絡み難いぶん、
ほんの少しだが抵抗になっていると感じていた。
これを逆手に取り、無駄なラインを出さずに着水と同時にアクションを入れていく様な
ネイティブ向けのモデルには、足の低いKタイプのガイドを採用している。
エリアで使うルアーを考えると、必然的に軽量なモノが多くなる。
状況によっては、1gに満たないスプーン等の出番も多い。
こういった軽量ルアーを使おうとすると、前述の抵抗のあるガイドだと
キャストしても失速してしまい遠くに飛び難くなってしまうのだ。
そこで昔のロッドを改めて見直すと、ガイドの形状の違いが見えてくる。
では、現状のガイドでエリア向けロッドの理想形状は何だろうか?
答えは、フットの高いKタイプ(KL-H)を使いリールとガイドとの角度を調整することだ。
フットの高いフレーム形状を選び、Yタイプに近い角度と位置を見つけていく。
エリアフィッシングの場合、ナイロンライン、フロロライン、PEライン、
エステルラインと種類が多岐に渡るのもKL-Hを選んだ理由でもある。
ラインに抵抗を少しでも緩和する方向にすることで、
軽量なルアーであってもラインの抜け感が良い様にテストをしていった。
シリーズコンセプトでもある『温故知新』の考えも、こういった点で踏襲されている。
もっと自重の軽さを求めるなら別のガイド形状も有るのだが、
軽量さを狙ったロッドでもないので今回は割愛させて貰った。
もし手に取ることが有ったら、ぜひガイドを見て欲しい。
ちょっとしたコダワリに気づいて頂ければ幸いだ。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング