レイズのリニューアルを発表して多くの反響を頂いた。
一番知りたいのは、何が変わったのか?という点だと思う。
今回は何が変わり、何を残したのかについて紹介していきたい。
・ブランク
レイズシリーズを踏襲しているのは、「レギュラーテーパー」という点だ。
これは新型レイズでも同じで、全てレギュラーテーパーの調子に仕上げている。
長さ・硬さ(パワー)は各機種異なるが、調子(曲がり方)は変えずに、
使用感が大きく変わらない様にブラッシュアップした次第だ。
今作の1つの目標として、「使い手を選ばない扱い易さ」を目指してみた。
トラウトフィッシングにおいて重要視される点の一つとして、
キャスト精度を上げることが釣果に大きく関わってくると思っている。
ルアーのウェイトを感じ易く、張りが有るけど適度に曲がり、
ラインをリリースするポイントが分かり易いロッドが良いと考えている。
熟練度の高いエキスパートになれば、ルアーの操作を重視したピンピンのロッドでも
テクニカルなキャストが出来てしまうかもしれないが、
そうしたハイエンドロッドは「レイズ・スペクトラ」を用意している。
今作は究極のスペックを求めるのではなく、
ロッドを操れる面白さを感じられるアクションに仕上げられたと思う。
もちろん実践的なロッドであることは不変であり、
軽快な操作感やターゲットとの駆け引きを楽しめるバランスは引き継いでいる。
・ガイド
新型レイズは、前作よりもバット部分に『ハイフット(足高)のガイド』を配置してみた。
写真 (左:旧レイズ 右:新型レイズ)
レイズ・オルタの開発を行っていた際に気づいた事がキッカケで、
軽量ルアーでも飛距離を落とさずキャスト出来ることがあった。
リールから放出されるラインとバットガイドに当たる角度を適正化し、
ラインがスムースに出ていく様にしたのが要因だ。
渓流で使うモデルには無駄にラインが出ない様に小口径のガイドを採用し、
遠投を必要とするモデルには少し大きめのガイドを採用している。
圧倒的に飛距離が伸びる訳では無いのだが、
例えるならば、前作が15m程の飛距離だったがのが16m程に伸びた様に感じられる。
実際に現場でテスト時にライン・ルアー・リールは変えずに、
ロッドだけを変えてキャストするとルアーを対岸の岩にヒットさせてしまっていた。
前作での振り幅やスイングスピードでは問題無かったのだが、
ラインがスムースに出ていくために距離感を誤ってしまっていたからだ。
少し力を抜いてキャストするとミスは少なくなった。
従って以前よりも力を入れずに飛距離を稼げることになり、
遠投した際にもブレを少なくでき正確なキャストに繋がってくる訳だ。
・グリップ
シート部には『西陣織カーボンパイプ』を配したのと、
グリップエンドには傷防止の『ラバーキャップ』を採用している。
西陣織の部分は、フロントグリップを回して見えてくる部分で、
リールを取り付けるとほとんど見えない。
チラリと見える隠れたオシャレを楽しんで頂きたい。
写真 (左:旧レイズ 右:新型レイズ)
また、エンドキャップにはレイズ・オルタと同じ形状のを採用し、
ロッドを立てかけた際に傷が付き難く、滑り止めの効果もある。
実は前作に比べると、このエンドキャップを採用した事で、
ロッド本体のウェイト数値は重くなっている。
これはバランサーの役割をすることを狙っており、
リアグリップを短くしたモデルなどモーメント(持ち重り感)の改善を図った。
スペックの数値だけを見たら、なんだ重いじゃないか?と思ってしまうが、
ただ軽くすれば良いという訳でない事をご理解頂ければ幸いだ。
さて次回は、各機種を深く掘り下げていこう。
1機種ずつ濃~い開発ストーリーがあるので、じっくり楽しんで頂けたらと思う。
Staff Funaki
JUGEMテーマ:フィッシング