Rayz Alter RZA5112S-MT Area Jerkin'

Rayz Alter RZA5112S-MT (Area Jerkin')
Lure : MAX10g  Line : MAX8lb (PE  MAX 0.8)

 

エリアミノーイングといった言葉が出てきてから久しく経つ。
レイズ オルタの基本スタンスは『大人の遊び』であり、
トーナメントだけでなく週末にゆったりとした時間を楽しむ目的で、
エリアフィッシングで遊べるロッドといったコンセプトを持たせている。
今回の追加モデルは、ミノーイングで大物を狙って釣ることがコンセプトで、
1尾といかに楽しめるかを重視したモデルとも言るだろう。

 大型トラウトをジャーキングで狙う 
この度追加となる RZA5112S-MT  Area Jerkin' は、手に持って振って貰うとすぐに分かるが、
一般的なエリアロッドと比べて極端に硬いモデルとなっている。
リップが長いダイビング系ミノーをはじめとして、
抵抗の強いミノープラグをメリハリのあるジャークで誘うことを想定した設計で、
近距離、サイトフィッシングで大型を狙って釣ることに長けており、
そのための長さ・硬さ・パーツ類などを厳選して作ったモデルだ。
主なターゲットとして、イワナやブラウントラウトなど『イロモノ』と呼ばれる
トラウト達に有効で、ジャガートラウトなどハイブリット系トラウトにも効く。


こうしたエリアミノーイング専用設計のモデルは市場に出回っているものの、
レイズのテイストを持たせたロッドが欲しかったのが作るキッカケでもあった。
これまでは、旧レイズRZ65MLなどストリーム向けのモデルを応用していたが、
ショートキャストを多用する場合や想定外に大きな魚もヒットする事もあり、
ぼんやりと見えていたのは6ftを少し切る全長で、
太目のナイロンラインもしくはフロロカーボンラインを快適に扱え、
尚且つ大物にも負けないバットパワーを持たせることであった。

 専用設計スペック 
目安として5~7㎝、3~6gほどのミノープラグを扱い易い設定としている。
ラインは、ナイロンもしくはフロロカーボンの5~6ポンドを扱い易く、
もちろんPEライン0.6~0.8号でも扱い易い範囲とした。
2000~2500番クラスのリールとのマッチングを想定しており、
PEラインや4ポンドほどまでのラインであれば2000番が良く、
これ以上太いラインならば2500番クラスのリールとのマッチングを想定している。
あまり小さいリールでは、ラインが放出した際に絡みやすく、
一気にラインが目減りするので飛距離も落ちる傾向にある。
ラインによって、装着リールを変更することを覚えておくと良いだろう。

 ブランク 
実は他の機種に採用しているマグナフレックス製法は使っておらず、
理由としてティップに抵抗に負けない『張り』が欲しかったからだ。


マグナフレックス製法は弾性率を変えて、ティップをソフトにすることが可能な製法で、
RZA602S-MLMTといったグリグリジャークに向いた調子を可能にしている。
しかし、ティップが柔らかいと抵抗の強いミノーをジャークした際に、
入力してからルアーが動くまでタイムラグが発生していまい、
いまいちルアーの動きにキレが出難くなってしまう。
そうしたこともあって、RZA5112S-MTには通常のカーボンチューブラ製法としており、
中弾性カーボンを肉厚に巻く事によってトルクフルなブランクをとなった。
では、なぜ中弾性カーボンなのか?といった疑問が出るだろう。
(厳密には中弾性カーボンではなく標準弾性なのだが…分かり易く中弾性としている)
低弾性でも高弾性でも、どちらでもロッドを作ることは可能なのだが、
低弾性ではミノーの動きにキレが出難く、高弾性では曲げた時のトルクが不足してしまう。
適度な張り感と、曲げた時にグッと感じるトルク感を求めた結果が中弾性だった訳だ。
これは今回のロッドの長さや使用方法に設定した場合であって、
他のロッドに同じことが言えるかは別の話となるのであしからず。

 ガイド 
既存の4機種に比べると、ガイドのリング径を大きく設定してみた。

※(左)RZA5112S-MT  (右)RZA5102S-LLT


これは使用したいラインが太いこともあっての事で、
場合によってはロングキャストをしたい時に抜けが良い大きさを求めると、
現状の大きさに落ち着いたと言ってよい。
ナイロンラインやフロロカーボンラインでの使用を想定してのことで、
PEラインであっても全く問題無く扱える規格に設定してある。

 

 グリップ 
フォアグリップやリールシートは、既存のモデルと全く同じサイズを採用しているが、
リアグリップのみ『40㎜』長い設定だ。


これには理由があって、ミノーをジャークすると手首には少なからず負担が掛かり、
抵抗の強いルアーを連続で動かし続けるには辛い場合もある。
そのためグリップエンドを腕にぶつけて、その反動を利用してジャーク出来るように
若干長めに設定したのが理由の1点と、大型トラウトがヒットした際に、
しっかり腕に当ててホールドしてファイト出来ることも狙った長さとしている。


他の4機種は、持ち換える時に違和感が無いことを狙って同じリアグリップ長にしたが、
これはポイント移動は少なくロッドを交換して魚との駆け引きを楽しむことを狙ってだ。
RZA5112S-MTに限っては、ロッド1本だけを持ってエリア内をウロウロと周り、
魚を見つけてはハントすることに長けているモデルであり、
あまり持ち換えることを想定しなくて良いと思ってのことだ。

 RZA602S-MLMT  (Midge Minnowin’) との違い 
同じミノーイングを想定したロッドではあるが、
想定した使用方法に大きな違いがあり使い分けもしっかり出来る。
RZA602S-MLMTは、フローティングミノーで縦方向に誘うストップ&ゴーに長けており、
リールでグリグリと巻いてストップ(浮上)させてバイトを取り易いモデルだ。
そのために繊細なアタリを逃し難いソフトなティップと、
急潜航させるために強めのバットパワーを持たせたのが特徴だ。
こうした動きはニジマス系統のトラウトに有効で、
目線から一旦消えてから下から浮上した際に思わずパクリとしてしまう訳だ。
対してRZA5112S-MTは『横の動き』に着目しており、
ミノーを横方向にダートさせて誘うことに特化したモデルとなっている。
先にも述べたようにティップが曲がると動きにキレが出ないため、
ティップには張りを持たせ、ラインのスラックが出やすいように
ジャークしてブランクが曲がって適度に戻る調子にすることで
ミノーが簡単にヒラを打つことが出来るようにしている。

 ネイティブでの活用 
近年の傾向として、天然河川でのキャッチ&リリース区間を設けて、
一般的には禁漁期となる時期に河川を解放して釣りが出来る場所も増えている。


そういったフィールドでは、ヤシオマスやハコスチといった大型のニジマスが
放流されることもあり、RZA5112S-MTがそうしたフィールドでも活躍してくれる。
またC&Rエリアだけでなく、通常の渓流向けに持ち込んで貰っても良く、
エリアとネイティブを繋ぐ架け橋的なモデルとしても楽しんで貰えるはずだ。
シリーズコンセプトである『自由に遊ぶエリア向けスペック』の通り、
様々なフィールドで使ってみて欲しい。今までにない面白さに気づけるはずだ。

Staff Funaki

 

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