レイズ スペクトラ’26 シリーズ紹介

【Introduction】
レイズ スペクトラは、2016年にデビューしたレイズシリーズの頂点として、当時の技術で到達し得た“最高のネイティブトラウトロッド”を体現した。
レイズの根幹といえる「細身」「張り」「本調子」を基盤とし、C・N・T素材やTORZITEリングなど最高峰のマテリアルを惜しみなく採用。シリーズ統一カラーであるダークバイオレットが陽光に照らされ、深く輝くブランクは象徴的な存在感を放ってきた。
発売以降、特徴的なモデルを展開しつつも、厚いユーザー層に支えられ続けたシリーズである。

【New Spectra】
では、新しいスペクトラについて語ろう。
『スペクトラを超えるのはスペクトラ』——これこそ本作の核を成すコンセプトであり、全モデルに貫かれる思想である。
キャスト性能、ルアー操作性、ランディング性能といった基礎性能の進化は当然ながら、魚と並んで映える意匠性にも徹底的に磨きをかけた。

初代レイズから脈々と受け継ぐアクションと、各機種のコンセプトを継承しながら、これからのトラウトシーンに真に必要な番手に絞り込んだ。

渓流で最高のパフォーマンスを発揮するショートモデル。
神経質なターゲットに挑む中本流向けミドルモデル。
サクラマスをはじめ、最高難易度の獲物と向き合うロングモデル。

いずれも実釣を重ね、納得いくまで突き詰めた、妥協なき完成度である。

【前作との違い】

①ブランク
ロッドの生命線であるブランクには最大限の配慮を注いだ。
前作は張り感を重視し、スコッチ仕上げを採用していたため、塗装後も巻目の凹凸がわずかに残っていた。
今作はサンド仕上げによる軽量化を図りつつ、その分不足するネバリをC・N・Tで補強。細く軽やかでありながら強靭なブランクを実現している。

もちろん、さらなる軽量化は可能だった。しかし、肉薄で張りだけが強いブランクでは、太い流れで掛けた魚に翻弄されてしまう。
芯の強さと軽快な操作性。この二軸の両立こそがスペクトラらしさであり、それを極めたブランクになっている。

②グリップ&ガイド
今作で大きな変化が見て取れるのがグリップデザインだ。
渓流向けショートモデルでは片手操作を前提に、フォアを短くしモーメントを改善。リアは極端に細く短くし、取り回しを向上させた。

渓流ベイトモデルは、ホールド性を求め試作を重ねて辿り着いた形状。
中本流以降のモデルは、キャスト時に親指を乗せやすい長さを確保しつつ、リアを細身化することで軽量化を実現。

ただし、グリップを細く短くすれば先重りは避けられない。
そこで、穂先側のガイドは軽量なチタンフレーム(TORZITE)を採用し、サイズ選定まで実釣検証することで、先重り感を極限まで排除した。

【納得の仕上がり】
前作スペクトラは高い評価を得ており、ユーザーが使い込んで育てたロッドは容易に代替できるものではない。
“完成していた”と思っていたが、突き詰めるほどロッドはまだ進化できることを思い知らされた。
そして、ユーザーである自分たちの“欲”こそ、新たなスペクトラを生み出した原動力となった。

待ち望んでいた方の期待を超えるために、想像のさらに先まで踏み込んだつもりだ。
私自身、レイズ史上最高傑作と言える仕上がりになったと自負している。

手に取って、目を閉じれば。
そのロッドを振るフィールドと、1尾を手にするまでの情景が浮かぶはずだ。

——新しいスペクトラを、ぜひ体感していただきたい。


Staff Funaki

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