JIGZAM DraggForce (JDF591B-G5/6 , JDF591B-G7/8)

 

いよいよ、ジグザム ドラッグフォースのベイトモデルがフルモデルチェンジとなる。
スピニングモデルが先行して発売となり、ベイトモデルが発表される事を予想された方は多い事だろう。
今回は、そのコンセプトと新しくなったことで何が変わったのか、そして進化の過程を紹介していこう。

 

【基本コンセプト】
前作のベイトモデルは2015年に登場と同時に、瀬戸内海の激流エリアで絶大な威力を発揮してきた。
グラス素材 を主材としたブランクに、C・N・T
(カーボン・ナノ・チューブ) をコンポジットした事で、
他に類を見ない粘り強さを発揮し、ヘビーウェイトジギングを快適かつパワフルに攻略する事を可能とした。
今作でも前作のコンセプトを踏襲し、潮流の早いフィールドを攻略することを主眼に開発を行った。
グラス素材であることは変えず、重いジグの引き抵抗を吸収してくれることで、
軽い力で操作できることが今機種の特徴
でもある。


瀬戸内海では海峡と呼ばれるフィールドが多数あり、その中でも明石海峡・鳴門海峡・来島海峡など、
干満差によって生まれる潮位変動によって島々に挟まれた海域では強烈な潮流が発生する。
この流れの中に、タチウオやイワシなどを追ってメインターゲットとなるブリが回遊してくるのだが、
潮流に負けないウェイトのメタルジグを使用できるタックルが必要となってくる。
フィールドによっては水深が60mから20mまで一気に駆け上がる瀬もあり、
ヒットと同時にパワーファイトでリフトしなければ瀬にラインが当たりブレイクしてしまう場所もある。
こうした場所はジグの墓場とも言われ、ジグが着底したことを見失うと即根掛かりしてしまう事もあるため、
ジグは極力重くして可能な限りバーチカル(垂直)に落とし込み、
着底を感じ取りやすいベイトモデル
が必須条件となっている。
もちろん、パワーファイトも考えるとベイトモデルであることも理にかなっており、
C・N・T の恩恵はファイト時に発揮されグラス素材の特性でターゲットの引きを吸収し、
曲げ込むごとに発生する強力なリフト力がターゲットを一気に浮上させてしまう訳だ。
また、地域が変わるとビンチョウやキハダ等のマグロ類をジギングで狙うことにも最適で、
ヘビーウェイトジグを楽に操作しながら、ヒットした際には強引なファイトも可能となっている。

【新旧の違い】
・ブランク
 グラス素材を主体であるのは変わらず、C・N・T がコンポジットされている点も同じだが、
 パワー表記をみて頂くと ロッド名の最後に G5/6 や G7/8 と表記したのが分かるはずだ。
 G5/6を例に挙げると、ティップが5番クラス、バットが6番クラスのパワーを持たせている意味となり、
 旧作JDF581B-G6と比較するとティップが繊細になったことで着底感が高まり、
 よりタイトにボトムを攻略することが可能に出来たわけだ。
 ちなみに表記の『G』の意味は、『グラス -Glass-』の頭文字である。

・ガイド
 前作と同じくチタンフレームのSiCリングは変えず、
 ガイドの個数を増やし、バットガイドを足高タイプを採用してみた。
 グラス素材と独特なアクションの影響でロッドは大きく曲がり込むため、
 ブランクにラインがタッチしてしまう事を回避するためにガイドを増やすとともに、
 バットガイドは足高にすることでリールからスムースな糸抜けを実現させている。

・グリップ
 フロントグリップには、スパイクXPGで採用したアシストグリップを応用して採用し、
 パワーファイト時にフロントグリップ部をしっかり持てるようにデザインしてみた。
 リアグリップは1インチ伸ばしたことで、脇にロッドをホールドし易いように改良し、
 長時間の操作で負担を軽減できるようにしている。
 ロッドの全長が伸びているのは、リアグリップを伸ばしたのが要因だ。
 リールシートには、前作から引き続きFuji製のPLSタイプを採用している。
 ロッドを持つ際は、小指の外側にリールシートのトリガーが来るようにホールドすると、
 大型リールを装着しても楽に持つことが出来る。
 尚、大型の電動リールまでも装着できるリールシートなので、
 お好みでリールを選んでご使用いただきたい。

【個性が強い2機種】
今回発表される2機種は、スペック表示だけでは伝わりにくい個性を持たせている。
其々を選択する基準として、潮流の速さに対して何グラムのジグを使用するかで
ロッドのパワーを使い分けて頂くと良いだろう。
激流の瀬で有名な愛媛県のクダコ島周辺海域、通称クダコを例に挙げると、
潮流が比較的ゆるい時間帯から少しづつ早くなり、
ボトムを取れるウェイトが300gまでなら JDF591B-G5/6 が出番となる。
そして、どんどんと潮流が加速していき350-400gといったヘビーウェイトが
必要になる状況になると JDF591B-G7/8
の独壇場となってくる。
極端ではあるが潮の速さによってロッドの出番が変わる為、
こだわる方こそ両機種とも用意して挑みたいものだ。

【タックルバランス】
各地域によって使用用途が変わり、
同じターゲットであってもタックル設定は色々と変化してくる。
今回は代表的な例をを挙げて紹介しておこう。

・瀬戸内海(来島海峡、クダコ海域)
 ロッド : JDF591B-G5/6
 リール : S社(2000番)、D社(15番)
 ライン : PE3-5号
 リーダー: 40-60lb (12-16号)
 ルアー : 150-300g 

 ロッド : JDF591B-G7/8
 リール : S社(2000-3000番)、D社(15番)
 ライン : PE4-6号
 リーダー: 50-80lb (14-22号)
 ルアー : 250-400g 

・太平洋(トンボ&キハダ ジギング)
 ロッド : JDF591B-G7/8
 リール : S社(手巻3000番、電動2000-6000番)、D社(手巻15番、電動400-600番)
 ライン : PE4-6号
 リーダー: 60-120lb (16-30号)
 ルアー : 250-500g 

 

・日本海(玄界灘 電動ジギング)
 ロッド : JDF591B-G5/6  &  JDF591B-G7/8
 リール : S社(電動1000-3000番)、D社(電動300-500番)
 ライン : PE4-6号
 リーダー: 50-80lb (14-22号)
 ルアー : 180-300g 

 

【唯一無二のロッドとして】
前作を発表した際に使った言葉として『唯一無二』を謳った。
マニアックなロッドであることは変わりなく、
ライト化するジギングタックルのトレンドとは真逆を行き、
ヘビーウェイト・パワータックルそのものであり、
このロッドでしか出来ない釣りがあるからこそ完成したモデルだ。
オールマイティの言葉はお世辞にも言えないが、
必要だから作ったコダワリのロッドでもある。
10年前に前作をテストしていた際にスタッフMと話をしていたのが、
10年先でも他に無いロッドに仕上げようと語っていたのを覚えている。
今でも色褪せず、そして更に突き詰めたモデルが完成した。
唯一無二のスペックをぜひ体感して頂きたい。

Staff Funaki

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